快島暗黒ツアー

長所短所
無茶苦茶具合が面白い話が淡々と進み過ぎる
トリックが明瞭トリックがありがち

■ストーリー

何気なくスーパーの福引をした主人公は「快島ペア旅行券」を当てる。だが当選した旅行券は二人組でしか使えない為、渋る後輩を引き連れ主人公は快島へと到着する。
快島唯一の古びた旅館で開かれるディナーショーで突然に悲劇は訪れる。

■ゲームについて

このゲームはYuuki! Novel製のフリーゲームね。キャラ絵やシルエットはなく実写背景を中心にストーリーは進んでいくわ。操作性はあまり良いとは言えないけれど、ゲームをする分には特に支障はないわね。ちなみに未読文章もスキップするタイプね。

でゲーム自体は「台風により外部との連絡が途絶えた孤島の民宿」というクローズド・サークルな状況の中で起こった殺人事件を推理するアドベンチャーゲームよ。 ここに数年ぶりに再会する幼馴染や、ディナーショーのゲストであるお笑いコンビ、他の宿泊客なんかが絡んで来るのよね。推理系アドベンチャーとして後半では推理パートとして動機や犯人に関する幾つかの選択肢があり、自分で事件を解決している気分になれたのは好感触だわ。

■長所

①無茶苦茶具合が面白い
このゲームの良い所は色々とむちゃくちゃな具合ね。
例えば「殺人事件が起きてるのに淡々と自室に戻る人々」とか「古民家風民宿の設定なのに背景画像が病院」だったりとか「外観と規模の合わない旅館」だとか。
で、この登場人物達に関してはほんと全員淡々としていて、殺人事件のすぐ後かと思ってしまうような行動・発言をする人ばっかりなのよね。もう緊張感とか全然なくて、驚きよ。
これに突っ込みを入れつつプレイするか、真面目にプレイするかでまったく評価が変わるわ。 私自身本作はかなりの低評価をしてるけど超私的な感想で言えばかなり楽しめたし、凄く実況映えする作品だと思うのよね。特に画像の無茶苦茶具合は必見で、まったく雰囲気と合っていないものが大半よ。

②トリックが明瞭
後はトリックがストレートだった点も良かったわ。メインの事件のトリックは恐らく大抵の人が気づくとは思うんだけど、それだけに矛盾も少なく、解決後にスッキリしないと言ったことはなかったのよね。ただし前述のように、犯人よりも、その周りの人物のドライ過ぎ・おかし過ぎな行動が多くてそっちに戸惑ったわ(笑)

■短所

①話が淡々と進みすぎる
淡々としていることは長所でも散々挙げたけど、このせいでほとんどの登場人物に関心が持てなかったのは残念ね。クローズド・サークルらしくメインの事件とは別に犠牲者が出てくるんだけど、犠牲者と主人公はほとんど関わりがなくて、その人物の死に対して何の思い入れもなかったわ。更に「この人物ってわざわざ登場させる必要はあったの?」と思うくらいどうでも良い人物もいたりして、キャラがただの数増しにしかなっていなかったのよね。もう少し生い立ちや人柄に触れる機会を増やして、キャラを掘り下げて欲しかったわ。
またクローズド・サークル特有の全員が疑心暗鬼になるといった展開も無く、疑われる人間が満場一致で決まってしまい、全くギスギスした空間にならずに閉鎖的状況を活かせていなかった点も気になったわ。やっぱり限られた空間であるからこそ、お互いが探り合うような状況になって欲しいとは思わない?そういう意味ではクローズド・サークルにした意味があまり無かったかしら。

②トリックがありがち
長所ではトリックは明瞭とは言っていたけれど、裏を返せば分かりやすく、捻りが少なかったように思えるわ。更に一部「その物に、なんで被害者や他の人間は気付かなかったのよ!」と個人的に疑問を抱く箇所があったのよね。
あとメインの殺人事件の動機ははっきりしていたものの、二人目の被害者の殺害動機については私がプレイした限り最後まで語られることはなかったわ。またそれ以外にも他エンドで行き着く全員殺害エンドの動機も分からなかったし、トゥルーエンドに行き着くまでに犯人の人物像が凄く歪められていたのよね。ここは一貫した動機で殺人事件を起こして欲しかったわ。

■まとめ

このゲームを一言で言うならやっぱり「実況映え」ね。とにかくツッコミどころが豊富でプレイしていてまったく飽きなかったのよね。特に大好きなのが、何故かいきなり爆弾を窓から投げ込まれて死ぬエンディング(未配信)と、犯人の疑いが掛かっているのにゲラゲラ笑い話をする三人ね。もうこの文章だけでもカオスで面白いわ。プレイ時間も長くはないし気になった人は是非私の動画をチェックしてね

点数20点

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