夜明けの口笛吹き[PC][ツクール]

■ストーリー

長所短所
雰囲気が良い終盤が難解
音楽が良い戦闘が大味

■ゲームについて

ツクール製のフリーゲームでデフォルト戦闘ね。ダッシュ機能がついているから移動によるストレスは無いけれど、ダッシュ中はイベントがスキップされ重要イベントが起きないなどの不具合が見られたわ。私の場合は、パーティーメンバーから本来抜けるはずの仲間がイベントスキップにより抜けずにそのままになることがあったわ
ただし音楽やドット絵は作者さん制作のものが多く、特に音楽はほぼ全てがオリジナル曲という力作よ。

■長所

①雰囲気、台詞回しが最高
このゲームは最初から一気に引き込まれるわ。作者さんの単語のチョイスや言葉の端々にとんでもないセンスを感じることができるの。 そのセンスとこのゲームの「上の層を目指し進む」というテーマが相まって、「次はどんな世界に行くんだろう?」「次はどんなキャラが出てくるんだろう?」と飽きることなく、上の世界を求めてゲームを進めることが出来たわ。

②音楽が良い
そんなセンス抜群の作者さんがなんと一つ一つのBGMまで作ってるの。
だからその場その場の空気にピッタリの曲調で違和感をまったく覚えなかったわ。
音楽はmidiなので今風のシンセ全開の派手派手な曲なんかは無いけれど、寂寥感漂う雰囲気の良い曲ばかりよ。

■短所

①戦闘が大味
戦闘は良く言えばストーリーを邪魔しない程度の難易度ね。レベル上げの為にどこかに留まるということはなく、ストレートにエンディングまで進めたわ。
それ自体は良いんだけど、属性や魔術によるバフ/デバフを意識した戦闘はほとんど不要で、序盤の盗賊の親分戦から期待された戦略的な戦闘はあまり無かったわ。
ゲームの戦闘は基本武器と魔法による攻撃のゴリ押しで何とかなるから、この辺り階層ごとに明確な差があるとより面白かったと思うのよ。

②終盤が難解
お話の雰囲気は凄く良いんだけど、物語が佳境に向かうに連れて徐々に理解できないシーンが多くなって来るのよ。何らかのメッセージはあると思うんだけど、抽象的な表現が多くて私はちょっと置いてきぼりを食らった感が大きかったわね。
なのでエンディングの最後も「?」となってしまったのが残念ね。
謎を残す終わり方は勿論有りだとは思うけど、「で、結局何なんだろう?」という気持ちのまま最後を迎えてしまったのよね。折角、それまでの世界が素晴らしく積み上げられて来ていただけに終盤も世界観をそのままにエンディングへと向かって欲しかったわ。

■まとめ

色々と不満点も上げたけど、このゲームは発表当初、学生時代の自分には凄く刺さったし、凄く思い入れのあった作品よ。月日が経ち、大人になってから再プレイしてもやっぱりその雰囲気の良さに引き込まれたわ(さすがに10年も経つと内容のほとんどを忘れていたけれどね)。
あと自分のプレイ動画を見返して思ったんだけれど、私、娼婦のイベントは全部回収してないわね。このイベントの一連の流れが凄く好きだったはずなのに、素通りしてしまったのが凄く残念よ。
RPGツクール2000製なので今となっては古めかしさもあるけれど、それすらも味に思える良作RPGね。

点数62点

あわせて読みたい

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です