天下御免[WIN][PC98]

ゲーム概要

元禄時代の江戸商人となり、豪商の人生を体験するゲーム。
選べる問屋は10種類。
プレイヤーはスタート時にどの問屋で商いをするか選択できるわ。
大火の際に需要が増える材木、季節により生産量が大きく変わる酒、単価の高い薬など特徴ある品が多いわね。
勿論この選択によって難易度が全く違うのよ。

またこのゲーム商売が全てじゃないの。
黙々と商売するのも良いけど、それだけだと世間の人気は得られないわ。
「江戸っ子は宵越しの銭は持たない」って言葉があるくらいだもんね。
プレイヤー時には使用人や知り合いを連れて吉原に繰り出してみたり、またある時は浮世絵を見に行ったり、丁半博打で大損したり。
そうして派手に振る舞って初めて江戸での人気が上がっていくの。

ちなみに人気は毎月発行のかわら版で確認することが出来るからね。

自由な商売スタイル

このゲームは真面目に商売をすることが第一とも限らないのよね。
初めは堺の市で商品を仕入れることしかできないんだけど、それだけだと利益は少ないわ。
だから別の港の寄港許可を出してくれる役人にお菓子と言いつつ賄賂を渡して頻繁にご機嫌窺いに行くのよ。それ以外にも海外からの禁制の商品を仕入れてみたり、商売敵を暗殺したり悪事も普通にできちゃうのよね。
ま、そんな悪事も見つかると捕まって島流しなんだけど、ここでも日ごろから役人や岡っ引き達にお金を渡しておけば見逃してくれたりするのよね。
このあたりが実にアートディンクならではの自由度って感じで良いわね。

結婚可能

気に入った町娘や遊女が居れば結婚を申し込むことが出来るわ。
ただし相手に承諾してもらうには商人として人気がなければ駄目よ。で、晴れて結婚出来れば、子供が生まれることもあるの。子供は成長すれば自分の店の奉公人として働かせることも可能よ。

あと結婚の有無に関わらず遊女を身請けしたりも出来るわ。

ゲームの終わり

このゲームの終わりは主人公が寿命や病などで死んだ
つまりいつEDを迎えるかは正確にはわからないのよね。
そしてこのゲームの大きな特徴の一つはEDね。
最後に閻魔大王による裁判があるんだけど、その裁判ってのが今までに出会って先に亡くなった人々による投票なの。この辺りは「天国から来た男」に似てるわね。

長所

①江戸の雰囲気が最高
とにかくこのゲームは雰囲気が素晴らしいのよ。
ちょっとした町人の台詞も味があるし、移動時に起こるランダムイベントでも歴史上の人物が出て来たりするの。江戸時代の生活を描いたゲームって少ないんだけど(「侍道」「江戸もの」「おいらんルージュ」「大江戸ルネッサンス」「新説忠臣蔵」あたりかしら)、
生活感・江戸で暮らしてる感はこのゲームが随一よ。

②江戸での生活
元禄商人シミュレーションと銘打たれるだけあって、江戸の町を舞台に色々なことが出来るのは凄く良いわ。
特徴でも書いた通り色んなことが出来るのよね。遊びに飽きたら、大番頭に任せて旅に出ても良いし、家族を放って妾の所で過ごしても良いし。
とにかく自分のスタイルで江戸の町を楽しむことが出来るわ。

短所

①メインの商売ではプレイヤーの介入箇所が少ない。
商売って言っても実際に商品に対して出来ることって仕入れと価格・出荷調整と寄港の申請くらいなのよ。店の陳列を変えたり、集客の為に何かしたりは出来なくて、基本自動なの。
メインの商売ですることが少ないから、ゲームはかなり単調に進んでいくわ。

②出来ることは多いが、内容が薄い
色々できるとは書いたんだけど、一つ一つの出来ることって凄くシンプルだし、絵的にも変化が乏しいわ。多分ほとんどの人はゲーム時間で5年もしない内に大抵の出来ることをやり尽くすはずよ。そうなると後の何十年もひたすら同じことの繰り返しをするの。
それを補うためかイベントがよく挿入されるけど、それでも私は寿命までの時間が長く感じたわ。
折角自由度もあり、雰囲気もある素敵なゲームなのに本当にもったいないのよね。「ゼロヨンチャンプシリーズ」みたいな感じで、メインは商売だけど、他の出来ることがもっと遊べる内容だったなら、きっとこのゲームは神ゲーになってたわ。

総評

経営シミュレーションの中でも異色かつオリジナリティ溢れる作品で私は気に入ってるわ。
ただ短所で書いた通り、単調作業多めだから繰り返しプレイに向いていないし、自分で目標やルールを定めてプレイする人以外にはオススメ出来ないのよね。

でも私個人としては、雰囲気が好きで何度もプレイした思い入れのあるゲームなの。
江戸時代を楽しんでみたいという人は一度プレイしてみてね。

点数65点